ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第25章 退院
そして、五条先生が手に持ってた冷たいタオルをおでこに乗せられて、
「あのなぁ、長湯するなって言っただろ。のぼせたんだよ。」
と言いながら、ちゃっかり手首掴んでずっと脈を測ってる。
いつの間にタオル…
わたしがこうなることわかってたのかな…
「お風呂初めてだったから気持ちよくて…」
「これからいくらでも入れるだろ!もう10分以上は絶対浸かるなよ。俺がいない時にこうなったらどうするんだよ、ったく。」
「ごめんなさい…」
おでこのタオルが冷たくて気持ちいいなと思ってると、五条先生がいつの間にかステートを手に持ってる。
「え!? なんでそれを…」
「当たり前だろ。聴診は基本だぞ。ひなは呼吸器弱いんだから。」
「そうじゃなくて、家なのに…」
「こういうことがあるから持って帰ってきてるんだ!」
せっかく退院したのに、
今朝の回診が最後の聴診だと思ってたのに…
呆気なく五条先生に聴診されてしまった。
聴診の後はソファーに座ったまま五条先生に髪の毛も乾かされ…
「よし。髪も乾いたから、今日はもう寝ろ。立てるか?」
「大丈夫です。」
と立たせてもらう。