ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第27章 2月29日
「なぁ、ひな欲しいもの見つからないか?」
「なんか、こんなに素敵なものばかり見てると、ごはんと一緒で見てるだけでお腹いっぱいになっちゃって。なんでも好きなものをなんて初めてだからどうしていいか。」
「そうか…。あ、ちょっとそこの本屋寄っていいか?」
目線の先には本屋さんがある。
「はい。もちろんです。」
五条先生について行くと、医学書が並ぶ棚の前に来た。
五条先生がいくつか本を手に取ってパラパラと見てる。
わたしも手持ち無沙汰になるので、その辺に並ぶ本をいろいろ見ていると、パッと目に入ってきた本を手に取った。
『はたらく細胞ズ‼︎』
かわいい表紙を開いてパラパラと中を見てみると、細胞が擬人化されて体内の仕組みがわかりやすく描かれていた。
へぇ〜、赤血球さんたちが酸素を配達して、白血球のお兄さんが病原体をやっつける…
この本すごくおもしろい!
思わず夢中になってパラパラ読んでると、
「その本好きか?」
いつの間にか五条先生は手にいくつか本を抱えて、わたしのすぐ隣に立ってた。
「あ!すみません、おもしろくてついパラパラと…」
と言うと、スッと五条先生がわたしの手から本を取った。
「これ買おう。ひな本好きか?他にもいろいろ見たらいいぞ。あっちも行ってみよう。」