ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第27章 2月29日
「おーい。ひな起きろ。ごはん。」
ん?
あ、寝てた!
「すみません。」
と五条先生の手がおでこに触れる。
「大丈夫か?…熱はないな。ちょっと疲れさせたか。」
"トクン"
「あ、いえ、大丈夫です!なんかわたしいつもすぐ寝ちゃって。お腹空きました!」
ダイニングテーブルには心なしかいつもより豪華な食事が並ぶ。
「いただきます!」
五条先生は忙しくて、一緒に住み始めたけど食事はバラバラなことも多い。
夜遅いとわたしが待ってられず先に寝ちゃうし、朝も当直だと会えない。
だから、こうして五条先生と食べられる日は密かにうれしい。
ごはんを食べ終わって、五条先生が洗い物をしてくれてる間に食後の薬を飲もうとしたら、
「ひな待て。薬はまだ飲まなくていいから。」
「え?なんで?」
「今日デザートあるから。」
「へっ?」
デザートってなんだろ。
たまにゼリーやプリンなんかを食べることはあるけど、基本的に夜はごはんを食べて薬を飲んで終わる。
とりあえずテーブルに座って待ってると、
「え……っ」
五条先生が冷蔵庫から出してきたのはかわいいケーキ。
そしてそこには、
"Hinano, Happy Birthday!!"
というチョコレートのプレートと、1と4の形をしたクッキーが乗っていた。