ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第29章 人海戦術
12時になって、ごはんの時間になった。
看護助手さんがお粥を運んできてくれたけど、まったく食べる気にならない。
「コホコホッ…」
時折咳込みながら、ベッドの上でじっと窓の外を見つめる。
コンコンコン___
あぁ、五条先生が来たんだな…
と思ったら、
「ひなちゃーん、ごはん食べてるかなー?」
ん?
宇髄先生が、どうして…
「どうして宇髄先生が来たんですか?」
「今、五条先生も神崎先生も手が離せなくてね。」
昨日の工藤先生と同じ…
これは、なんかおかしい。
神崎先生が来るのはわかるけど、工藤先生も宇髄先生もなんで突然わたしのところに来るの?
次は藤堂先生が来るってこと…?
「お腹空いてないのでごはんはいらないです。」
「じゃあ、後でお腹空いてから食べてみるか?」
「…点滴してるのでもう食べなくていいです。」
「うーん、ひなちゃん…。」
宇髄先生が唸ってる。
宇髄先生って、ガタイめっちゃ良くて怖い系な感じと思いきや、結構優しくて穏やかでみんなのお兄さんって感じなんだけどな。
怒ってないけど、完全に参った困ったって声してる。