ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第29章 人海戦術
「そしたら、吸入しに行こうか。」
やだ。もう行きたくない。
「やめときます。」
「ひなちゃん、吸入はしておかないと喘息が良くならないから行こう。すぐ終わるから。」
「行きたくありません!」
と言って布団をすっぽりかぶった。
「ゴホゴホゴホッ…」
「ひなちゃん、お布団からは出よう。身体しんどいだろう?ちょっと聴診だけしていいかな?」
「しんどくありません。しないでください。ゴホゴホッ」
布団に潜り込んだまま答えた。
「…うん、わかった。無理にはしない。その代わり、先生が部屋出たら布団からは出てな。約束な?」
と言って、宇髄先生は出て行った。