ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第30章 意地っ張りの代償
レントゲンを撮るとやはり肺炎になっていたようで、咳も高熱もなかなか治らなかった。
目は閉じてるけど、なんとなく周りの声がずっと聞こえてて、寝てるというよりずっとぼーっとする感じ。
そんな状態が4日も続いてる。
「ゴホゴホゴホッ…ハァ…ハァ……ゴホゴホゴホッ…」
宇髄先生が胸や喉にもチェストピースを当てて音を聴いてる。
「痰が絡みだしてるな。工藤、吸引の準備頼む。」
「はい。」
今日は朝から五条先生が来ない。
神崎先生もいないのか、代わりに宇髄先生と工藤先生が来てる。
五条先生どこ行っちゃったんだろう。
「ひなちゃーん、わかる?聞こえる?」
宇髄先生の声に頷く。
「これから少しお口開けて頑張るぞー。」
と言って酸素マスクが外された。
うっすら目を開けると、宇髄先生は手袋をはめてて、なにかを手に持ってる。
すっごい嫌な予感が襲ってくると、
「ひなちゃん、動かないようにじっとしててなー。」
と工藤先生に頭を押さえられて、わたしの恐怖心が爆発した。