ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第33章 新しい主治医
「そしたら、早速診察していくね。まず聴診するから前開けてくれる?」
ブレザーを脱いで、ひとつずつボタンを開けていく。
ブラウスのシャツを開ける時、なんとなく恥ずかしくて躊躇した。
「ひなちゃん?どうしたの?」
「い、いえ…」
と言ってブラウスを開く。
「深呼吸しててね。」
手で温めてくれたチェストピースが胸に当たる。
五条先生もいつも真剣な顔で聴いてたけど、藤堂先生もすごく真剣な顔してる。
それと、藤堂も綺麗な顔…
よくよく考えたら、黒柱ってみんなイケメンだし背高いし、そりゃみんなの憧れだよね。
まぁ、怖いけど。
なんて考えてると、いつの間にか首元を触って目の下をめくられてて、藤堂先生と目が合った。
「ひなちゃん、考え事してたでしょ?」
「え?」
そんなぼーっとしてたかな?
「僕の質問聞いてなかったでしょ?笑」
え、なんか聞かれてたのかな?
聞いてなかったどころか声を発したことすら…
「ひなちゃんは何か一つのことにすごく集中するタイプだね。だから、考え事してる時も周りの声が聞こえなくなっちゃう。でしょ?」
藤堂先生、今日から主治医なのにもうずっと主治医だったみたいにわたしのことを…