ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第35章 メロンパン
「どれだけ言ったらわかるんだ!そんなに俺に怒られたいのか!?今までダッシュなんかして具合悪くなってないのは奇跡だぞ!!それでだったのか…」
家の中でこんな怒号が…
めっちゃ怖い…
久しぶりにこんな怒鳴られて泣きそう。
「ごめんなさい…。もう、ダッシュなんかしません。」
「ダッシュじゃなくて走るのもダメだ。自分で身体痛めつけてどうする。」
「はい。もう走りません…。メロンパンは諦めます。」
と言うと五条先生の手が離れた。
つままれた頬を手のひらでスリスリする。
「メロンパンは俺がたまに買ってやるから。そんなしょぼんとするな。でも、あんな甘いパン月2回は食べすぎだ。」
メロンパンはまた食べられるんだ。
でも月2回食べちゃいけなかったんだ。
ムチの後にアメと思えばまた控えめのムチ。
「それから、」
まだなにかあるの…
「来週の定期健診では、そのダッシュしたことをちゃんと藤堂先生に言いなさい。必ずだぞ?」
あ、わかりました…
「はい…」
はぁ…
こんなに怖くなったり優しくなったり厳しくなったり。
五条先生は本当に不思議な人…