ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第38章 大事なお話①
「グスン…ハァ……グスン、グスン……」
30分以上経ってようやく涙が落ち着いた。
「落ち着いたか?」
「五条先生、家に帰りたいです…」
「手術して、喘息も貧血も良くなったら帰れるから。」
「手術、しなくていい方法はないんですか?」
「残念だけど、手術をしないなら、生理のたびに痛みと高熱で苦しむことになるな。」
答えがそれしかないからだろうけど、もうちょっとオブラートに包んで言ってくれてもいいのに…
「手術はいつになりますか…?」
「そうだな、夏休みの間には終わらせたいけど、喘息が落ち着いてからだな。」
「喘息が治らなかったらずっとしなくていいってこと…?」
「こら。そういうこと言わないの。それだとひながずっと苦しむだけなんだから。早く喘息治して、パッと手術して、さっさと家帰るぞ。な?」
パッと手術って…
そんな魔法みたいに一瞬じゃできないでしょ…
まぁ、わたしが深刻にならないように言ってくれてるんだろうけど…
「でも、麻酔が効かなくて痛かったら…?手術が失敗したら…?手術して治らなかったら…?」
頭に浮かぶのは悪いことばかり。
恐怖と不安だけしかない。
「ひな?ひなが今心配してることは全部大丈夫だ。手術してくれるのは宇髄先生だぞ?柱の中の柱がしてくれるんだ。失敗するわけない、絶対治してくれる。それに、手術は俺も立ち会うから。」
「五条先生もいてくれるの…?」
「あぁ。手術中はそばにいるから安心しろ。」
五条先生も一緒にいてくれるなら、頑張れるかも…