ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第44章 まさかの朝とまさかの進路
「だ、だ、大丈夫です。き、気にしてませんからっ。」
と言いながら心臓がドキドキしすぎてもう五条先生に背を向けたまま1ミリの寝返りも打てない…
「昨日飲み過ぎたか…」
という独り言が聞こえた後、
「ごめんなひな…。悪かった。俺、他に何もしてなかったか?」
逆に他になんかされてたの!?
「いえ、大丈夫です。本当に気にしてないです。わたしのどうせすごく小さいですしっ。」
…はっ!!
自分もテンパり過ぎてめっちゃ変なこと言った!
「あっ、いやっ、ごめんなさい!最後のは取り消しますっ!!」
「取り消さなくても事実だからいいだろ。」
「なっ!?ひ、ひどい…」
「胸の大きさなんかどうでもいいだろ。そんなこと気にするなよ。それも思春期か?」
「お、女の子だからです…‼︎」
もう、なんなのっ!
わけわかんない会話になってる。
すっかり目も覚めちゃったしもう起きようと布団から出ようとすると、
「待てひな。」
と五条先生に腕を掴まれた。
そして、グッと引き寄せられて、ころんと五条先生の方に転がってしまい、
ドキッ…
五条先生の顔が目の前に…
ドキドキしすぎて死にそう。
「まだ早いからもう少し寝てろ。しっかり寝とかないとしんどくなっちゃうだろ。」
ぽんぽんっ…
五条先生はまだ眠たいのか、寝起きだからか、とろんとした目をしてる。
でも瞳の輝きはいつもと変わらなくて…
そんな目で見つめられながら、頭ぽんぽんをされたわたしは…
"トクン"
「スー……スー……」
え?
…えぇ?
と思ったら、五条先生もう目閉じて寝てる…
もしかしてさっきまでの全部寝ぼけてた?
もう、まったく…
とわたしも目を閉じてみたけど、もちろん目が冴えちゃって二度寝なんてできなかった。