ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第5章 ひなのを襲う恐怖①
「ハァハァ…なんで…ケホケホッ…ハァハァ、ケホッ………」
アドレナリンが出てたのか気づかなかったけど、息が苦しくて身体もフラフラする。
しかも左腕が痛い、血が出てる…。
手の届かないボタンを前に、その場でへたり込んだ。
「ハァハァ…ゲホゲホゲホッ……ハァハァ…ッハァ……」
あぁ、また苦しい。
なんでだろう…、なんでこんな風になるの?
早く帰らなきゃいけないのに、もうやだ…。
と思ってると、
ドタドタドタドタドタッ_____
遠くの方から、走ってくるような足音が聞こえてきた。
音の方に目を向けると、白衣を着た人が2人こっちに来る。
あぁ…捕まる…、逃げなきゃ…、また殴られる…!!
そう思って逃げようとしたけど、足に力が入らなくて起き上がりきれず、
パタッ…
と前のめりに倒れてしまった。
すると、同時にさっきまでの足音も止まり、
「なにやってんだ!!」
ビクッ‼︎
突然低い声で怒鳴られて、咄嗟に身体を縮めて丸まった。