ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第5章 ひなのを襲う恐怖①
五条先生の言葉に目を見開いた。
あの人が、捕まった…?
もういない、いなくなった。
やっと地獄の日々から解放されるの?
でも、わたしには帰る場所がないって、そんなのこれからどうすればいいの…?
昨日の喘息の話といい、あまりに突然のことで話が全然入ってこない。
入ってこないどころか、頭は真っ白になった。
そして、気づくと涙を滝のように流してた。
「ハァハァ…ッ…ハァハァ……ッハァ………」
泣いてるせいかまた呼吸が苦しくなって、身体を横に向けた。
「深呼吸して。」
と言って、五条先生の手が背中に伸びると、
ビクッ‼︎
触れられるとまた一気に恐怖心が湧き起こり、身体の震えが止まらなくなる。
「ハァッ……ハァハァ…ッハァ…ッハァ……ハァハァ…ケホケホッ……」
「落ち着いて。ゆっくり呼吸してごらん。」
そんなこと言われてもできない…
なんかもう全部わけわかんない…
「ハァハァ…ケホッゃめ…ケホケホケホッ…離しハァハァッ…ハァッ…ハァッ…。」
気づけば、わたしはまた意識を飛ばしてしまってた。