ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第50章 天然な小悪魔ちゃん
〜ひなのの病室〜
「スー……スー……」
夜になって、ひなの様子を見に病室へ来た。
治療が終わってから3、4時間経つが、まだ1回も目は覚ましてなさそう。
前回の治療の後と同じ。
寝顔を見ただけで、ひながどれだけのエネルギーを使い、どれだけ辛かったのかがわかる。
「よく頑張ったな…、ひな…。」
思わずそう呟きながら、ひなの頬をにそっと手を添えると、
「ん……」
ひながゆっくりと目を開けた。
「ごめんな。起こしちゃったか?」
「…五条、先生。」
俺の顔を見るなり、ひなは目に涙を浮かべて、まばたきと同時にスーッと涙をこぼした。