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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第50章 天然な小悪魔ちゃん

-ひなのside-




「…五条、先生。」




起きたら五条先生がいて、優しい顔の五条先生がいて…

顔を見ただけなのに、安心感やうれしさが入り混じって涙が込み上げてきた。




「ん?どうした?」



「グスン…五条せんっ…ケホケホッ…ケホケホケホッ……」



「ひなちょっと身体起こすぞ。ゆっくり呼吸してな。」




と言って、五条先生が身体を起こして背中をさすってくれる。



喘息ひどくなったのかな…?

久しぶりにちょっと苦しい。

発作にならないといいけど…




「ケホケホッ…ハァハァ、グスン……ケホケホッ…」



「焦らないよ。大丈夫大丈夫。治療頑張ったから少し身体が疲れちゃったんだ。」




そっか。治療頑張ったからか。

頑張ったって言ってくれてうれしい。

頑張ったのわかってくれてるんだ。

そういえば、今度こそお腹治ったのかな?




「五条先生…ケホッ、治った…?治療、終わり…?グスン…」



「治ったぞ。もうお腹に溜まってたのなくなったからな。今お腹張ってないだろ?」




そういえば張ってない。

座って少し前屈みになってても苦しくない。




「グスン、グスン…怖かった…。治療…ヒック、痛くて、怖かったの…五条先生、うぅっ…グスン、ケホッ、ケホケホケホッ‼︎」



「よしよし、怖かったな。よく頑張ってえらかった。もう大丈夫だから落ち着こう。泣いたら発作起きちゃうからな。大丈夫大丈夫。」



「ケホケホッ…うぅっ、ヒック…ケホケホッ…グスン……グスン……」




やっぱり、五条先生とこうしているとなんだか安心できる。

五条先生が包み込んでくれる手も声も匂いも、全部優しくて落ち着く。


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