ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第50章 天然な小悪魔ちゃん
「ケホケホッ……グスン…ケホケホッ…ヒック、ヒック……ケホッ…ケホケホケホッ!」
「ひなちょっとしんどいな。苦しいだろ?1回吸入しとこう。」
と、五条先生は棚に手を伸ばして吸入器を取り、わたしの口に当ててプシュッと。
どんなに呼吸が乱れてても、五条先生はタイミングをきっちり合わせてくるからしっかり薬も入ってきて、あっという間に楽になった。
「ハァハァ……グスン…ハァハァ………」
「だいぶ落ち着いたか?ちょっと聴診しとこうな。」
と五条先生がわたしの身体をベッドに寝かせようとするから…
ギュッ…
五条先生の白衣をギュッとして胸に顔を埋めた。
「…っ。ひな…?」
「ヤダ…。」
「やだって、胸の音聴いとかないと。俺が嫌なら藤堂先生に来てもらうか?」
フリフリフリ…
「違う…、離れたくないの。五条先生一緒にいて…。」