ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第50章 天然な小悪魔ちゃん
「藤堂先生、お腹の治療はもう終わりですか?」
「うん。昨日ちゃんと全部出せたから終わったよ。って、あれ?昨日、五条先生から聞かなかった?」
ん?やっぱり、五条先生と何話したか記憶にないね、これは。
「すみません。五条先生と何話したかあんまり覚えてなくて…。」
「ははっ。治療で疲れちゃってたかな?でも、それ五条先生には黙っといてあげよう。絶対ショック受けるから。笑」
「ご、ごめんなさい。お願いします。」
「でもね、ひなちゃん。お腹の治療は終わったんだけどね、喘息があまり良くないからもう少しこのまま入院して様子見させてくれる?貧血もまだ心配だし、それに、お腹の方もまた分泌液溜まっちゃうかもしれないから、しばらく観察させて欲しいんだ。」
もうすぐには帰れない気は薄々してたけど、せっかく治療頑張ったのに入院延長か…。
「わかりました…。でも、期末テストどうしよう。来週からだったんですけど…。」
「うーん。それまでに退院はちょっと厳しいかなぁ。成績が心配?」
「はい。医大の推薦、上位5人に入らないともらえないし、わたし自力で受験するのは不安で。でも今Bクラスだし、せめて来年Aクラスに上がれるくらいは頑張ろうと思ってたんですけど…。」
「そうだね。ひなちゃんの今までの成績でカバーできるかもしれないけど、さすがに定期試験ひとつ飛ぶと響くかもしれないしな…。ちょっと、僕から学校側に期末試験を補填する方法がないか聞いてみるね。」
「いいんですか?ありがとうございます。」