ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第55章 不穏な予感
「こんばんは…。」
「ごめんね、治療の後すぐ来られなくて。ご飯はまぁまぁ食べれてるね。気分どう?まだちょっとしんどそうかな?」
と、じっと顔を見つめられる。
「少ししんどいけど大丈夫です。」
本当は、治療の後ご飯が来るまでずっと寝てたし、別にしんどくはない。
だけどこの状況的に、しんどいことにした方が藤堂先生を誤魔化せる。
「うん。ちょっと聴診だけしとこうか。今日は早めに寝ていいからね。」
と聴診をしてもらって、怪しまれることはなく藤堂先生も姫島さんも部屋を出て行った。
はぁ…、よかった。
と思って、薬を握りしめた手を見るともう薬が溶けてきちゃってる。
ごめんなさい…。
心の中でそうつぶやいて、ティッシュに包んでゴミ箱に捨てた。