ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第57章 呼び起こされた過去
ガチャッ!!
「ひなちゃん!!」
屋上に着くと、いつもの場所に腰掛けるひなちゃんが。
倒れて、ない…?
ひどい貧血で立つのもやっとだったはず。
絶対倒れてると思ったけど、ひなちゃんはただ小さく座ってた。
「ひなちゃん、寒いでしょ?お部屋戻ろう。」
ゆっくり近づいてひなちゃんの前にしゃがみ込み、そっと白衣をひなちゃんに掛けた。
すると、ひなちゃんの身体がビクッとして、
「ハァハァ…グスン……わたしのこと…触らないで…ハァハァ」
小さな力無い声でそう呟いた。
昨日から触れられるのが相当嫌なようで、なんなら見られることすら嫌そうに、身体をさらに縮めてる。
ガチャッ!!
「ひなっ!!」
すぐに悠仁も来た。
悠仁も俺の隣でひなちゃんの前にしゃがみ込み、咄嗟に持ってきたんだろう、悠仁がいつも医局で使ってるブランケットで、ひなちゃんの脚元を覆った。
今、ひなちゃんには相当な何かがある。
悠仁もそれをわかってるのか、決していつものように叱ったりはしない。