ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第57章 呼び起こされた過去
「この前はぎゅってしてって言ってたのに…。俺のこと嫌いになっちゃったか?もう会いたくもない?」
「ヒック、ヒック、……フリフリ」
やっぱりか。
ほんの少し迷ってから首を振ったその迷いがなんなのか…。
また、ひなの頭がぐちゃぐちゃになってる。
「嫌いじゃないなら触ってもいいだろ?よし、とりあえず部屋戻ろう。」
とひなを抱き上げようとすると、
「嫌っ!! お願い、触らないで…!! わたしのこと触らないで!! ケホケホッ…!」
って抵抗を始めた。
ただ、相当体力が落ちてるのか、精神的に参ってるのか、いつもみたいな馬鹿力も声も出てない。
「ひな落ち着け…。どうしたんだ、何があった?」
「ケホケホッ…嫌っ…やめて…ケホケホッ、触らないでっ…ケホケホケホッ!!」
ダメだ、またパニックになってきてる。
このままじゃ発作になって意識を飛ばしかねん…。
「ひな、ここじゃ身体がやられる。発作起きる前に部屋戻るぞ。」
と嫌がるひなを抱き上げて非常階段を駆け降りた。