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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第58章 言葉の刃

-五条side-




「智樹くんお疲れさま。今日も上手にモクモクできたな!」



「ねぇごじょーせんせー?おねぇちゃんきょうもいないの?」



「うん?お姉ちゃん?」




吸入を終えた智樹くんが、突然俺に質問してきた。




「モクモクでコホンコホンってしてるおねぇちゃん。」




あぁ、ひなのことか。

ここ数日、会わなかったからかな。




「お姉ちゃんは、今お部屋でお休みしてるよ。」



「まだないてるの?おねぇちゃんかなしい?」




えっ??

ひなが泣いてるって、なんで智樹くんがそんなこと…。




「なんでお姉ちゃん泣いてるんだ?」



「だってぼくみたよ。きのう、おねぇちゃんのおへやのまえでね、ひめじまさんがでてきてね、おねぇちゃんみえたらないてたよ。」




…!?

ひながああなったのは、やっぱり姫島が原因なのか?

子どもは正直だ。智樹くんの話が嘘とは1ミリも思えん。




「そっか。でも、もうお姉ちゃん泣いてないからな、大丈夫だ。智樹くん、心配してくれてありがとう。」




そして、智樹くんを病室に戻した後、急いで医局へ戻った。


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