ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第59章 まだ始まらない恋の始まり
「ハナシテ…」
「ひなっ!?」
あ、思ってたこと口に出ちゃった…。
仕方なく目を開けると、五条先生の顔が目の前に。
「ごめんな、起こしちゃったな。」
あぁ、すごく優しい五条先生だ。
大好きな五条先生。
こんな身体に触れて欲しくないのに、その手を払い避けられない。
だって本当は、触れてて欲しくて仕方ないから…。
飲み込むことなんてできない、この喉元から込み上げる涙のせいで、五条先生の顔が一瞬にしてぼやけてしまう。
すると五条先生が、
「ひな、ちょっと痛いの頑張るぞ。」
と言った瞬間、
「ん"っ!!」
掴まれてた腕に注射されたみたいで、突然のことにいつも以上の痛みを感じた。
「痛っ…ハァハァ…やめて、ケホケホッ、触らないでっ…ハァハァ」
「ごめんな、もう痛くないからな。」
と針を抜いたとこを、工藤先生にグッと抑えられて止血される。