ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第60章 治療再開
…ドキッ! ドキドキ、ドキンッ!!
こんな静かな部屋で聞こえてしまうんじゃないかってくらい、わたしの心臓がドキドキしてる。
「ぇ…ぁ…、カッコヨカッタ…。」
「…言われると照れるな。」
と微笑む五条先生。
「何びっくりした顔して。気づいてないと思ったか?」
思った。わたし物音立ててないのに、なんで見てたことバレたんだろって。
「ひなの心臓の音がトクンって聞こえたから。」
「ぇっ…!?」
「ははっ。嘘だよ。息の音が変わるからすぐ気づく。それに、そんなに熱い視線を送られたら気配でわかるだろ。」
そっか、それでバレたのか、恥ずかしい…。
だけど、わたし…
「ホッとしたの…、目が覚めたら隣に五条先生がいて、うれしかったです…」
「約束しただろ?治療終わったら待ってるって。よく頑張ったな。」
そう言って頭を撫でられた瞬間、ブワッと涙が出て溢れちゃった。