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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第63章 苦い思い出

-五条side-




その夜、家に帰ってから、ひなのプリントにサインした。




「五条先生、ありがとうございます。」



「ん。忘れないように先にかばん入れといで。」



「はい。」




と、ひなが一旦自分の部屋へ。

昼間、ひなはあんな風に言ってたけど、家に帰ってくるとずっとしょぼんとしてる。

本当はまだアメリカに行きたくて行きたくて仕方ないんだろう。

さすがに可哀想で、なんとかしてあげたいとも思うが…




ガチャッ___


なんて考えてる間にひながリビングに戻ってきたので、




「ひな、おいで。」




とソファーにひなを呼んで隣に座らせて、そっとひなの身体を引き寄せた。




「五条先生…?」



「ごめんな。本当はアメリカ行きたかったよな。」




すると、ひなは少しだけ涙声に。




「大丈夫です。わたしの身体じゃ行けないって思ってたから。北海道も行ったことないから楽しみだし。ただ、もしかしたらって思っただけです。ダディーとマミーと、五条先生と過ごした楽しい記憶を思い出せるかなって。そうすれば、嫌な記憶を消せるのかなって。もう、思い出したくない過去を捨てられるかなって。…グスッ」


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