ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第8章 爆発する心
すると、五条先生がわたしの方へ向かってくる。
あぁ、こんなことして、こんなこと言って、怒られるじゃ済まされない。
先生にもきっと殴られるんだ…
でも仕方ない、もういいよ…
そう思って目を閉じると…、
……………え?
温かい。
というよりも、温もりと表現したい。
そんなものを感じて目を開けると、なぜか五条先生に抱きしめられていた。
「生きようとしてた答えは、もう目の前にあるだろ…。だから死ぬな。これからも生きるんだ。どんなに苦しくてもここまで生きてきた、顔は傷ひとつ付けずに守って来た。その強さを投げ出してもう死ぬとか言うな…。」
静寂を破るように五条先生が言った。
重みのある落ち着いた低い声で、まるでわたしの魂に届けるように…