ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第65章 不安定な情緒
「ひなちゃん、吐き気はいつから?食欲はどうだった?吐いた回数は?いつ吐いた?他に症状は?」
次から次へと質問する藤堂先生。
わたしは処置室のベッドの上で、点滴に繋がれながら答える。
「もう、本当になんで早く言わないの…。ひなちゃんが言わなきゃ助けられないでしょ?お薬も忘れず飲んでねって言ったのに忘れるし。」
「ごめんなさい…グスン」
「泣かせたいわけじゃなくて、ひなちゃんを心配してるんだよ。」
藤堂先生も五条先生と同じことを。
怒ってて怖いのに優しさを見せつけられて、また涙がブワッと溢れる。
「ごめんなさい…グスン」
「もう怒ってないから泣かないよ。点滴終わったらまた来るから、ゆっくり休んでてね。」
そう言いながらぽんぽんと頭を撫でて、藤堂先生は一旦出て行った。