ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第65章 不安定な情緒
「入院はしません…グスン」
泣きたいわけじゃないのに涙が出る。
悲しいんじゃなくて、なんかこんな身体の自分が腹立たしくて、感情がたかぶっちゃう。
「ひなちゃん…」
「なんで楽しく過ごしてるのにこうなるの?いつもいつもなんでなの!?」
藤堂先生に言っても仕方のないことだってわかってるのに、イライラしちゃってどうしようもない。
するとそこへ、五条先生が家から戻ってきた。
「ひな、何泣いてんだ。どうした?」
「どうしたじゃないよ!なんで着替え取りに行くの!?なんで家に連れて帰ってくれないの!!」
「落ち着けって。入院するのにパジャマいるだろ。今回はそんなに長くならないから。」
「長いとか短いとか関係ないよ!家に帰してよ!!なんでこんな身体なの!?なんでわたしを置いて家に帰るの!?なんで起きたらいなかったの!?もうやだ!!うわぁ〜ん…」
さっきから1人で怒って1人で泣いてる。
支離滅裂なことばっかり言って、自分でも何にイライラして怒ってるのかわからない。
そんなわたしを五条先生の大きな体がすっぽりと包み込んでくれた。