ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第67章 鉄剤注射
コンコンコン___
3、40分後、検査結果を持った藤堂先生…と、五条先生も入ってきた。
「五条先生!」
「お疲れ様。ご機嫌だな。笑」
「だって、やっと注射が終わったから!」
「そうだな。でも、結果次第では引き続き注射するぞ?」
「えっ……」
なんで…?
上がり切ったテンションがみるみるうちに冷めていく。
「まだやるんですか…」
「そりゃ、数値が悪かったらな。ま、それを今から藤堂先生が話してくれるから、ほら、しっかり聴きなさい。」
と五条先生に支えてもらって身体を起こす。
藤堂「ははっ。そしたら検査の結果お話しするね。」
「はい…」
藤堂「まずはヘモグロビン値。これが12まで上がったよ。」
「え、じゃあ正常値ですよね?」
藤堂「うん。でもギリギリね。それから、フェリチン。貯蔵鉄の方も30になったけど、僕としてはこっちもギリギリかな。ひなちゃんの身体を考えると、安心できる数字とはまだ言えない。」
「え…、でも正常範囲なのに。もしかして……」
数値は正常になってるのに、藤堂先生はギリギリって言ってばっかり。
五条先生の引き続き注射って言葉が頭をよぎる。