ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第9章 食欲不振
「でもね、ひなちゃん。食べる量が少ないとずっと点滴しなくちゃいけないんだよ?」
「えっ?」
「ひなちゃんが今してる点滴、ひとつは喘息のだけど、もうひとつはごはんをしっかり食べたらしなくてよくなるよ。今は栄養が足りなくてしてるだけだからね。それに、ごはんをしっかり食べたら、喘息も良くなってその点滴もいらなくなるよ。」
そんなの知らなかった…
もっと早く言ってよ…
「だから、全部は食べなくていいから、今はあと3口は頑張ろう。ね?」
コクッ…
そんなこと言われたら頑張るしかない。
力も湧いてくる。
パクッ…
パクッ……
パクッ………
たった3口食べるのに20分くらいかかったけど、藤堂先生も五条先生も黙って見守ってくれてた。
そして最後にゼリーをちゃっかり食べてごちそうさま。
「よく頑張りました。」
藤堂先生がキラキラの笑顔で褒めてくれる。
五条先生が気になってチラッと見てみると、普段より顔がゆるんでうれしそうだけど、なんでだろう。
少しだけ悲しげにも感じた。