ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第69章 お父さんの心配事
そして、20分ほどウトウトしてると、
「ひなちゃん、食欲ないかもしれないけれどお雑炊作ったの。少し食べてみない?」
そう言われて、ローテーブルに置かれたトレーを見ると、美味しそうな卵雑炊が。
食欲はない気がするけど、コクッと頷き身体を起こしてもらった。
レンゲの上で冷ましてくれた雑炊を、お母さんが口の中へ運んでくれる。
パクッ…
モグモグ…
「おいしい…」
ひと口食べたところで、やっぱり食欲がないのはわかった。
それなのに、お母さんのこの雑炊は不思議と際限なく食べれる気がする。
「美味しい?もう少し食べられそうかしら?」
「はい。」
とお茶碗半分くらい食べさせてもらった。
お母さんだからか、元助産師だからか、それとも両方だからなのか。
熱でしんどい時に、お母さんっていう存在はこんなにも心強く安心するのかと、その存在の大きさを初めて感じられた。