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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第70章 嘘と隠し事

-藤堂side-




____数ヶ月後




〜小児科医局〜




コンコンコン___


「悠仁、ちょっといい?」



「あれ、藤堂先生。お疲れ様です。ひな何かありました?」



「ううん、今日も元気だったよ。どの結果も安定してるし。見る?」




と、悠仁に検査結果を渡す。

今日はひなちゃんの年明け最初の定期健診。

ついさっき終わったところで、悠仁と話をしに来た。




「今月もまずまずですね。そろそろ体調崩すだろってずっと思ってますけど…、ひな妙に元気ですね。」



「うん、そうだよね。悠仁に話したかったのはそのこと。」




修学旅行が終わって、もう3ヶ月以上。

旅行中に具合が悪くなることもなく、元気いっぱい笑顔で帰ってきたひなちゃんは、まだ一度も体調を崩してない。

患者が元気でいてくれるのは主治医として何よりだけど…

あのひなちゃんに何も起きないのは、嵐の前の静けさなのかと思えてならない。




「修学旅行が終わって結構経つのに、ひなちゃんがこんなに元気なのがどうも気になっててさ。」



「それは俺もそう思います。とはいえ、家でも変わった様子はないですけど…それが逆に変わってるとも言えるか。」



「うん…。こんなこと言うのあれだけど、嫌な予感するんだよね。何か隠してるのかな。悠仁、心当たりある?」



「うーん……」




と2人で考えてると、




「あ…」




と言ったのは、悠仁の隣に座ってた神崎先生。


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