ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第10章 眠れない夜
「…寝れないか?」
ビクッ…
突然声をかけられたので身体がビクッとしてしまった。
でも、布団を被ってるからバレてないはず。
すると、声の主はドアと反対側の窓側、わたしが身体を向けてるベッドの横にきて、わたしの頭に大きな手をぽんと置いた。
ビクッ…
また身体が反応してしまう。
「…バレてるぞ。寝たふりしてるだろ。」
なんでバレちゃうんだろう…。
もう誰がいるのかはわかってる。
わたしはゆっくりと目を開けた。
真っ暗で何も見えない。
なんとなく人の気配はするけど姿は見えなかった。
すると、枕元にある小さな柔らかい明かりがついて、今度はしっかり五条先生が見えた。