ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第72章 嫌いな治療
ビクビクッ…ハァハァ…ハァハァ……
ビクッ…ハァハァ……
「…なちゃーん。ひなちゃーん。」
ハァハァ……、ん…。
イった後はいつもこう。
頭がふわふわして身体が脱力する。
無重力空間にいたり、海に沈んだり、いつも表現したくなる感覚は色々。
今日は雲の上に乗って空を漂ってるみたいだった。
ふわふわふわふわ、雲の上でただ風に流されてたら宇髄先生の声がして、目を開けると無事に戻って来れたという感じ。
「ハァハァ…ハァハァ……」
「ひなちゃん大丈夫か?呼吸苦しくない?」
頭がまだぼーっとして、いまいち焦点の合わない目に、聴診をする宇髄先生が映る。
コクッ…
「ん。治療久しぶりだったな、よく頑張った。眠いか?」
うん、眠い…
まだ頭と身体が重くて動かせない。
コクッ…
「そしたら少し休んで帰ろうか。椅子だけ動かすな。また起こすから寝てていいぞ。」
と言われ、椅子がフラットになって、そっとタオルケットを掛けてもらい、わたしはもう一度目を閉じた。