ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第10章 眠れない夜
しばらく五条先生の胸で泣いてると、今度は泣きすぎたせいかまた少し苦しくなってきてしまった。
「グスン…ッハァ……ハァハァ…ヒック………」
すると、少し身体を離して落ち着かせてくれる。
「いいか?苦しくなったら、落ち着いてゆっくり深呼吸しなさい。君は苦しいと息を止める癖があるから余計に苦しくなるんだ。しっかり息を吸って、しっかり吐き切る。自分のペースでいいから意識して呼吸してごらん。ほら、吸ってー…はい、吐いてー…。」
「スー…ハァハァ…スー……ハァー……スー……ハー……」
「な?落ち着いただろ?ちゃんと呼吸すれば、さっきみたいに薬を使わなくても治まるから。呼吸が大事なんだ。覚えといてな。」
「…はい。」
そしてそのあとはすぐに眠ってしまった。
もちろん、五条先生はしばらくそばについててくれたみたい。