ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第76章 オープンキャンパス
「思ったけど…、先生も学生もみんなかっこよくて、わたしもここで学びたいって本気で思ったけど…。でも、心臓なんだよ?他にもいろいろ悪いのに、心臓が悪いなんて1番大事なところなのに、壊れたらおしまいじゃん…!手術したって、100%大丈夫じゃないでしょ?完全には治らないでしょ?グスン、グスン…」
「ひな。」
「そんな身体で本当に医者なんて目指せる?高校さえ休まず通えなかったのに、6年間も大学通ってちゃんと卒業できると思う?仮に卒業して試験に受かっても、ちゃんと医者として働いていけるって…わたしにそんなのできると思う?…ヒック…グスン…」
「ひーなー?」
「絶対無理でしょ?わたしには無理なんだよ…。自分のことで、自分の身体のことで精一杯なんだからっ。医大入ったって後悔するだけだよ…!…グスン、ヒック…ヒック…」
「ひなっ!」
…っ。
「そんなに一気に喋るな…。酸素足りなくなるぞ?ほら、とりあえず深呼吸して。」
「ヒック、ヒック…うぅ…っ……グスン……」
興奮して話し出すといつも止まらなくなっちゃう。
朝は一緒になって興奮してた鬼五条は、もうすっかり大好きな五条先生で、大きな心と体でわたしの気持ちをゆっくりと落ち着かせてくれた。