ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第76章 オープンキャンパス
「…大丈夫か?」
「大丈夫です…。」
少しして涙が上がってくると、五条先生はわたしの体を離して涙を拭いてくれた。
藤堂「はい、ひなちゃん。これ飲むと落ち着くよ。」
と藤堂先生が置いてくれたのは、はちみつ入りのカモミールティー。
去年、お母さんがお土産で持って来てくれてから気に入ってて、家にたくさんストックしてある。
わたしが五条先生の胸で泣いてる間に、藤堂先生が作ってくれてたみたい。
「ありがとうございます…グスン」
と鼻をすすりながらひと口。
「おいしい…」
藤堂「メロンパンも温め直したよ。」
と言われて、残ってたメロンパンにパクッ…と。
「…おいひぃ。グスン」
「メロンパン食べるときだけはひと口がでかいな。喉詰めるぞ。」
「らぃじょーぶ。」
藤堂「ははっ。ちゃんと噛んで食べるんだよ。」
コクッと頷いてまたひと口。
泣いた後って、なんだか次から次へと口へ運んでしまう。
まだ少し詰まった鼻でも、いつも以上に美味しく感じる。
それに、やっぱり食べるというのは、幸せな気持ちになって元気も出るから、心もどんどん晴れてくる。