ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第77章 カテーテル検査
「は?」
藤堂「ひなちゃん、突然どうしたの…」
工藤「俺のせいか…」
いや、そんなこともそんなわけもない。
何かおかしい…
「ひな、なんで突然そんなこと言うんだ。工藤先生に注射される夢でも見たか?」
「違うぅ…痛かったの、ヒック…麻酔痛かった…うぅ…グスン」
工藤「麻酔?ひなちゃん、麻酔って今日検査の時にした麻酔の注射?」
「グスン…グスン……コクン…」
藤堂「あっ…そういうことか…。」
俺は今日の検査に立ち会ってなくて、その時のことがわからない。
ただ、藤堂先生が何かに気づいたことは、俺がピンときたことと恐らく同じはず。
で、その解を答えたのは工藤先生本人。
工藤「ひなちゃん、麻酔の注射が痛かったから怖くなっちゃったんだな。でもな、あの麻酔の注射をしてくれたのは、麻酔科の先生だったんだ。俺は、麻酔してないんだ。笑」
やっぱりそういうことだったか。
どんな注射でも、工藤先生の手にかかればそこまで痛いはずはない。
きっと、ひなは麻酔されるところが見えてなかったから、工藤先生が全部してると勘違いしたんだろう。
そんなひなは、涙を引っ込めて"えっ…?"という顔をしてる。