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ウソつき恋愛

第1章 再会の電車

*****以後、男子視点・女子視点の心の声が、
それぞれ<男><女>を文頭に付けた状態で注釈的に付きます*****

僕の足が、しぜんに前に進み、気がついた時にはサチコの前に立っていた。
そして、サチコがブランコから立ち上がり、僕をめちゃくちゃ見つめてきた。
<男>《うわ?なんだこれ…、僕らまるで恋人同士じゃないか?別に好き合っていないのに…。あ、そうか、先ほど告り合ったな…》
<女>《うわあ…、どうしよう?私、なぜ立ち上がっちゃったの?しかもマサヤくんとめちゃくちゃ見つめ合ってる…。まるで恋人同士みたい…》

僕の顔とサチコの顔が、ぐぐっと近づいた。鼻同士がくっつきそうだ。
サチコが、僕をめちゃくちゃ見てる。
僕も、サチコをめちゃくちゃ見ていた。
そして、僕の唇がサチコの唇にすーっと吸いついていた。
<男>《わ?わ?わ?わ?僕とサチコが、キスしてる!?いや、キス自体はうれしいけど…。僕、サチコのことほんとは好きじゃないのに…。これ、まずいよ…》
<女>《わあああ?私、なんてことしてるの?キス!キスしちゃってる!マサヤくん、私のことホント好きなんだ…。そりゃ好きだったらキスするのは当然だよね…。ああ、悪いよ、私本当はマサヤくんのこと好きじゃないのに…》

唇と唇の吸い合いは、やがて終わった。
僕はホッとして唇をサチコの唇から離そうとした。が、その時、なんと?僕の口の中から舌が勝手に出ていき、サチコの舌と絡み合った。
<男>《わ?まずい、まずい!唇だけのキスならほんの出来心なのに、これじゃ本格的なキスだよ?どうしよう?どうしよう?サチコは僕のことが好きなんだ…、でも僕はサチコが好きじゃないんだ》
<女>《ああ…、私、マサヤくんと舌同士、絡めちゃってるよ~!マサヤくんが私のこと好きなのはうれしいけど、私はそうじゃないの…!それなのに、ああ~!ダメダメ!これ以上キスしちゃダメ!》
僕とサチコのキスは、互いの唾とよだれを混じらせ合う情熱的なキスになってしまった。

キスをようやく終えた僕の視界に、公園を取り巻くラブホテル群が飛び込んできた。
「サチコと、あそこに入りたい」
<男>《わー!?自分、何言ってんだ!?これは妄想じゃない、リアルだ!好きでもない女子をホテルに誘うなんて!》
「うれしい♡」
<女>《わあ??私、何答えてるの?好きでもない男子とホテルに???》
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