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先生、出ちゃうよ

第2章 先生との出会い

彼女が目を覚ましたと看護師から連絡をもらい急いで病室へ向かう。

ほんとだ。瞳の大きな子。言われてみれば白戸麻華の雰囲気もなんとなく感じる。

俺が声をかけながら近づくと、ん?泣いてる?

どっか痛いのか?

いや、この子、俺を怖がってる?

まさか、男性恐怖症?

案の定、看護師を呼んでやると落ち着いた。

親があんなんだから、自分で症状を話してくれないと治しようがないんだよな、、。

この子の心を開くことが最優先だ。

今日は簡単な問診だけにしておこう。

男性恐怖症の子には出来るだけ小児科医のように話しかける。

「あのさ、由奈ちゃんさ、最近、ちゃんとおしっこでてた?」

彼女はうつむきがちに小さく首を振る。

だよな!

あとは、今日、入院ということだけを伝えて俺は病室を出た。


中学3年生でここまで男性を怖がるなんて、過去に何かあったのかな?

それも、いずれは彼女から聞き出す必要があるな。

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