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先生、出ちゃうよ

第2章 先生との出会い

彼女の治療を進めていく上で、まず何より大切なのは信頼関係を築くこと。

彼女の心が完全に開くまでは無理に排尿障害のリハビリはしないことにしていた。

彼女が男性恐怖症であることにも配慮して、
導尿は同性の看護師にしてもらっていた。

でも、一刻も早く治療を始めたいところではある。
時間が経てば経つほど彼女の排尿筋は衰える。

俺は精神科のリハビリとして毎日彼女の部屋で一緒にお昼を食べ、空き時間は彼女の部屋で談笑したり病院内を案内したりした。

最初は一方的に俺が話しかけているだけだったが
だんだんと由奈ちゃんの方からも

「先生、次いつくる?」

とか

「明日の病院食なんだろね?」

とか話しかけてくれるようになった。

ある日、由奈ちゃんと病院内を歩いていると、
俺の同僚が他の患者さんの件で話しかけてきた。

しまった、彼女大丈夫かな?と思ったその時、
彼女は俺の白衣を掴み後ろに隠れた。

よかった、、。

俺は彼女に信頼してもらえた。
今が治療を始めるチャンスだと思った。
後ろに隠れる彼女の頭を撫でながら

「由奈ちゃん、先生と少し治療頑張ってみよっか?」

と聞いてみる。
小さく頷く彼女。

早速病室に戻り排尿の練習をしてみることにした。

座った体勢よりあおむけの体勢の方が筋肉が緩むため
彼女をベットの上に横たわらせ、腰の位置に吸水パットをひく。

「先生、、?」

「大丈夫。これからやっていくことを説明するね?」

俺は由奈ちゃんの目線の高さまで腰を落とし説明する。

「まず、今、由奈ちゃんは自分でおしっこ出せなくなっちゃったでしょ?おしっこを出す筋肉がどこまで硬くなっちゃったか先生、知りたいんだ。
先生、由奈ちゃんの尿道って言うおしっこの通り道をゆーっくり刺激していくからおしっこしたくなったら教えてね?ちょっと恥ずかしいかもしれないけど頑張ろ?」

由奈ちゃんの想像していた治療とは少し違っていたのだろう。彼女が戸惑っているのがわかる。

手を握り
「ゆっくりでいいから下だけ脱げるかな?」
と由奈ちゃんを促す。

俺がいたら脱ぎにくいだろうと思い、
脱いだらタオルをかけて待っててと伝え
俺は少しの間病室を出た。

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