テキストサイズ

先生、出ちゃうよ

第10章 工藤先生と2人で治療

俺が外来の患者を捌き終え、コーヒーを買って一休みしていた時だった。

「工藤先生!工藤先生!生徒が1人倒れました!」

と院内学級の先生が走ってきた。

工藤「誰ですか?」

「白戸由奈ちゃんです!」

工藤「由奈ちゃん?由奈ちゃんは成瀬が担当医のはずでは?」

「成瀬先生、今日手術に入っているそうで、状況を話したところ工藤先生に頼みたいということでした。」

工藤「分かりました。すぐに行きましょう!」

由奈ちゃんは男性恐怖症。
俺も一回治療に立ち合っただけで、あとは病院内で挨拶を交わしたりする程度だ。治療を受け入れてくれるか怪しいところだ。

でも、初めて見る男の人の治療なんて受けられるはずがない。きっと、話すことすらできないだろう。
成瀬が手を離せない以上、俺がやるしかない。

だから成瀬はこの間の治療に俺を呼んだのか? 
もしもの時、由奈ちゃんが少しでも俺の治療を受け入れやすくするために。


教室につくと由奈ちゃんは思ったよりも辛そうだった。意識を飛ばしていながらも呼吸は荒く、全身は痙攣していた。

そばにいる女の子が泣いている。

亜美「ごめんね!由奈!私がこんなことしなければ、、」

何があったのか聞き出さなければいけないな、、。

工藤「由奈ちゃーん!由奈ちゃーん!聞こえるかな?」

俺は由奈ちゃんに声をかけるがもちろん返事はない。
ここでの治療は無理だ。
急いでストレッチャーを用意してもらい、由奈ちゃんを処置室に運ぶ。

彼女の腕に安定剤を打ち込むと痙攣と荒い呼吸は落ち着いた。

先程泣いていた女の子とそばにいた男の子に由奈が落ち着いたことを伝える。

亜美・海斗「よかった、、。」

と安堵する2人。
名前を聞いてピンとくる。
もしかして、この子たち成瀬の元患者か?

工藤「亜美ちゃんと、海斗くんだね?何があったのか教えてくれるかい?」

話を聞くと、どうやら彼らは放課後、性の話をしていたらしい。そこでオナニーを知らない由奈に教えてあげるよということになった。そして亜美が由奈の乳首を摘んだ瞬間、由奈は痙攣し始めたらしい。

なるほど、、多感症の由奈には刺激が強すぎたわけだ、、


ピロリロリーンピロリロリーン


携帯が鳴る。
見ると成瀬だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ