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異世界転生しなくても美女とハーレム

第6章 天敵あらわる

「さあ……、僕はそんな経験ないから分からないが、もし、そう言う人ができたら、やはり真剣に愛したいな」

全方位からツッコミを受けそうな回答であったが、加恋を目の前にして私のせめてもの誠意だった。

そのおかげか、加恋の表情が少し明るくなる。

「うふふ、田中課長、まるで不倫をしているかのような回答ですね。
人の愛って、例えば100与えられるとして、その全てを不倫相手に与えるんですか?

違いますよね。

田中課長が愛するというのは、奥さんに50、不倫相手に50という意味でしょ?」

なんとも、理屈をこねるのが上手い。私は劣勢に追いやられている事を自覚する。
しかし、私は麻理の異変にも気づく。

饒舌になればなるほど、酒を飲むペースが上がっている。まるで酔えば酔うほど饒舌になるかのように。

「ちょっと、麻理ちゃん、大丈夫?
それ、もう五杯目でしょ?」

加恋も心配するほど、麻理の呂律が怪しくなっていた。

「わたしは……、愛されたいんです……」

とうとう麻理は目を開けていられなくなる。

「ま、麻理ちゃん……」


「加恋さんだって……、そうでしょ?
本当は……一番になりたいくせに……」

「わ、わたしは……」


「二番で良いって思っているのなら……、諦めるべ……き」


麻理は、そこまで言うと、座ったまま寝息を立て始めた。


「な、なんだか……圧倒されました」

「ああ……、かなり過激な事を、まるで朗読するかのように言うし……。
加恋、彼女を送っていってくれるか?」




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