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変態ですけど、何か?

第11章 淳也

淳子は待ち針を取り上げた。

円形のプレートに、色とりどりの丸い頭の付いた針が40本程、花びらのように刺さっている。

「里帆は、どの色がいいの?」

「どれでもいいです」

あたしが答えたとたんに、また往復ビンタが襲ってきた。
勢いで、耳と唇の洗濯バサミが、強烈な痛みと共に吹き飛んだ。

「ぎゃあっ!」
あたしは絶叫した。

「大袈裟ねえ。でも、里帆のかわいい顔には、洗濯バサミは似合わないね。ちょうどよかった」

しばらく挟まれていた洗濯バサミが引き剥がされた痛みで、あたしは涙ぐんでいる。

「折檻聞いて上げたのに答えないんだから、私が勝手に選ぶわね」

淳子は一本を取り出して、あたしの左の乳房を軽く突いた。

「ひっ!」

あたしが小さく声をあげた。

「里帆って、ホントに大袈裟。予防注射の針より細いわよ」
そういって奥まで押し込んだ。

「ひいいいっ!痛いっ!」

刺された針は乳房の肉に完全に埋まって、頭が覗いているだけ。

「案外簡単に入るんだ」
淳子は独り言の屋ように言うと、2本目を取り出して、今度は一気に奥まで突き刺した。
「いっ、痛い!」

淳子は、左右に12本づつの針を、次々に突き刺した。
ほとんどの針は、たいした痛みもなく埋もれていくが、痛点に当たった針は飛び上がる程の痛みだった。

あたしは、連続する痛みで、脚が震えてきた。

「残った針は、どこに付けようかな?」

淳子が冷酷な笑みを浮かべた。

言われなくても、次のターゲットはわかっている。

「ゆ、許してください」
あたしは涙を流して哀願する。

淳子があたしの左乳首を摘まんだ。

乳首の付け根辺りに針先を当てた。

「お願い!やめてぇ!」

針が突き刺さり、乳房の何倍もの痛みが襲ってくる。

「や、やめて!許してぇ!」

淳子は、構わず針の頭を押す。けれど、なかなか入っていかない。

「乳首って意外に固いんだ」

淳子が少し驚いたような口調で言った。

それでも、針は少しずつ奥に埋まっていく。

あたしは歯を食い縛って、間断なく襲ってくる痛みと闘う。
あんなに細い針なのに、周囲の肉が割かれるような痛み。






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