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変態ですけど、何か?

第15章 パパのこと ~2~

美佐子に送られて、家に帰ってきたのは夕方だった。

もしかしたら、靖子は今から書き入れ時かとは思ったが、あたしが出掛けるのを、朝から気にしていた様子だったので電話を掛けてみる。

靖子はすぐに電話に出た。

「今、大丈夫かな?」

あたしが訊ねると、
『大丈夫よ。ちょうどお客さんを降ろして、コンビニでタバコ吸ってたの』

「そう。よかった。あのね、パパの話だけど・・・、再婚話だったわ」

あたしが言った。

『そうなんだ。何となく、予想はしてたんだけどね。
里帆は、大丈夫?ショック受けてない?』

靖子が気遣ってくれる。

「もちろん、大丈夫だよ。すごく優しそうな人で、パパも今度は幸せになれそう」

あたしは感じたままの感想を言った。

『それならいいんだけど・・・。
私ね、里帆に無理をさせてないかなって、いつも思ってるから・・・』
靖子がしんみりとした口調で言う。

「そんなこと言わないで。
あたしだって、靖子と一緒にいたくて、引っ越したんだから」

『ありがとう。里帆・・・、愛してるわ』

「あたしも!靖子を愛してる。
ねえ、靖子。今夜は何時に帰ってくる?」

あたしの質問に、靖子が答える。

『いつも通り、夜中の予定だけど・・・。
たまには、早退しようかな?日曜日の夜なんて、暇だしね』

あたしの気持ちを察して、靖子が答えた。

「うん!早く逢いたい!」

あたしは言った。
いつもなら、靖子の仕事に差し支えないように心掛けていたけど、
今夜は靖子とゆっくり過ごしたかった。

パパとの身体の関係はもうなかったが、父親がママ以外の女性の元に行くことには、やはり一抹の寂しさをおぼえていたから。

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