テキストサイズ

不倫研究サークル

第8章 ふりだしに戻って

********************
xxxx年xx月xx日

今日、私は最近では一番落ち込んでいる。

森岡君が、転校するのだ。

二年生になったら、森岡君はもういない。

森岡君は、私が勉強できるようになったから、
このまま続ければ学年一位も夢じゃないよ、と言ってくれた。

全部、森岡君のおかげだ。

なのに、私は彼に何もお返しできていない。

神様は、やっぱりイジワルだ。

私は単純だ。

神様が嫌いになった。

********************

xxxx年xx月xx日

二年生になった。

森岡君はもういない。

相変わらず、私は虐められているけど、全然気にしない。

私には、目標があるからだ。

森岡君は、東京の大学に行くと言っていた。
きっと、森岡君なら東大にだって行けるだろう。

だから、無謀だと思うけど、私も東大を目指すことにした。

きっと、大学で森岡君に会える気がする。

森岡君に再会した時、せめて恥ずかしくないようにしたい。

私は単純だ。

今日からダイエットを始めた。

********************

xxxx年xx月xx日

一学期の期末試験二日目が終わった。

今までで一番手応えを感じる。

このままいけば、本当に東大も夢じゃない気がしてきた。

最終日、手を抜かないように、最後の追い込みをする。

ダイエットして、10キロも体重が減った。

大学で森岡君に会ったら、可愛くなったね、って言ってもらえるかな?

告白は、無理だよね。

始めは、友達から。

私は森岡君の事を『圭君』って呼びたいな。

圭君には、私の事、『華子』って呼び捨てにして欲しい。


私は単純だ。

想像して、枕を抱きしめて身もだえした。

********************

xxxx年xx月xx日

一学期の期末試験が終わった。

最悪な事が起きた。

圭君に会いたい。

でも、もう無理だ。

圭君が好きでした。

********************

日記は、ここで終わっていた。


僕は、日記をテーブルの上に置いて、ベッドに横になった。

考えを巡らせる……。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ