不倫研究サークル
第9章 ハプニング
「あ、いや、初夜って……、佳那さん……」
『ウフフ、冗談よ。あんな小娘となんて圭君がイヤよね 笑』
(じ、自分の娘を『小娘』って、この母親は……?)
『とにかく、陽菜ちゃんのこと、よろしくお願いね』
「はあ、こちらこそ、色々と手配していただき、ありがとうございます」
電話を切って、陽菜にスマホを返す。
「じゃあ、行こうか~ホ・テ・ル」
陽菜が僕の腕に手を絡めてきた。
とんだハプニングだが、見知らぬ地で野宿するよりは数倍マシだ。
僕たちは、佳那が予約してくれたホテルへと向かった。
◆
「うわ~、けっこう大きなホテルなんだね~」
陽菜が建物を見上げて感嘆の声を漏らした。
だが、僕はそれどころではない。
こんな立派なホテルに泊まるのは初めてだ。ビクビクしながら入口へ向かうと、ドアの前にホテルの従業員と思しき男性が背筋を伸ばして立っている。
挨拶を交わして、フロントへと向かうが、JCを連れた大学生が不審がられないか、気が気でない。
オロオロしている僕を他所に、スタスタと陽菜が受付へと声をかける。
「予約している磯村ですけど」
「磯村様ですね。こちらにご記入ください」
宿泊者カードだろうか? 陽菜は手慣れた感じで記入する。
「お荷物は、ございますか?」
「いえ、電車が止まって、急遽泊まることにしたので荷物はありません。どこか着替えを買いたいのですが、ありますか?」
「でしたら、この先にスーパーがありi衣料品のコーナーもございます。歩いて10分ほどですから、そこでお買い物できます」
「ありがとうございます」
「それから、お客様、ご夕飯ですがお部屋にお持ちしますか? 大広間でもいただけますが」
「部屋にお願いします」
テキパキと受け答えする陽菜を、僕はただ羨望の眼差しで見るしかなかった。
『ウフフ、冗談よ。あんな小娘となんて圭君がイヤよね 笑』
(じ、自分の娘を『小娘』って、この母親は……?)
『とにかく、陽菜ちゃんのこと、よろしくお願いね』
「はあ、こちらこそ、色々と手配していただき、ありがとうございます」
電話を切って、陽菜にスマホを返す。
「じゃあ、行こうか~ホ・テ・ル」
陽菜が僕の腕に手を絡めてきた。
とんだハプニングだが、見知らぬ地で野宿するよりは数倍マシだ。
僕たちは、佳那が予約してくれたホテルへと向かった。
◆
「うわ~、けっこう大きなホテルなんだね~」
陽菜が建物を見上げて感嘆の声を漏らした。
だが、僕はそれどころではない。
こんな立派なホテルに泊まるのは初めてだ。ビクビクしながら入口へ向かうと、ドアの前にホテルの従業員と思しき男性が背筋を伸ばして立っている。
挨拶を交わして、フロントへと向かうが、JCを連れた大学生が不審がられないか、気が気でない。
オロオロしている僕を他所に、スタスタと陽菜が受付へと声をかける。
「予約している磯村ですけど」
「磯村様ですね。こちらにご記入ください」
宿泊者カードだろうか? 陽菜は手慣れた感じで記入する。
「お荷物は、ございますか?」
「いえ、電車が止まって、急遽泊まることにしたので荷物はありません。どこか着替えを買いたいのですが、ありますか?」
「でしたら、この先にスーパーがありi衣料品のコーナーもございます。歩いて10分ほどですから、そこでお買い物できます」
「ありがとうございます」
「それから、お客様、ご夕飯ですがお部屋にお持ちしますか? 大広間でもいただけますが」
「部屋にお願いします」
テキパキと受け答えする陽菜を、僕はただ羨望の眼差しで見るしかなかった。