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不倫研究サークル

第9章 ハプニング

風呂からあがり、部屋に戻ると夕飯の支度が出来ていた。

「うわ~、すごいご馳走だな」

僕は感嘆の声をあげるが、陽菜はまだ怒ったままだ。プイっと顔をそむける。

「まさか、圭がワタシに欲情するなんて思ってなかった」

「なあ、陽菜、あれは仕方ないんだ。男なら誰でもああなるんだよ」

「ふ~ん、じゃあ、圭は女の子なら誰でも良いんだ。誰にでも、ああなるんだね」

「それは違うぞ、さすがに誰でもという事はない」

嘘だ。男なら相手が誰であろうと、ああいうシチュエーションでは生理現象が起きてしまう。

「じゃあ、ワタシだから、ああなったの?」

「まあ……、そうだな」

(そういう事にしておこう)

「ふ……ん、圭は、ワタシの事をどう思ってるの?」

「そ、そりゃあ、可愛い生徒……かな」

「教え子に欲情するヘンタイ教師なんだ」

「ば、ばか、それは違うぞ」

「でも、圭は先生で、ワタシは生徒なんでしょ、生徒に先生が欲情したんじゃない、何が違うの?」


(くっ! またしても屁理屈を!)

こんな時、どう対処すれば良いのだろう?

対応に苦慮する。ここは、素直な気持ちを言うしかない。


「分かった、降参だ。陽菜は可愛いし、良い子だと思う。 僕が同じくらいの年頃の男子なら間違いなく好きになっている、いや、今まさに好きだという気持ちはある」

「ワタシの事、好きなんだ」

「ああ、でも、それだけだ。これ以上、関係は進められない」

「それは、ワタシが子供だから?」

「そういう事になる」

「ワタシは圭が好きで、圭もワタシが好きなのに、付き合えないって事だよね」

「そういう事になる」
「世の中、単純に好きというだけでは結ばれない事もあるんだ」

(お、これは我ながら良いセリフだ)と、自画自賛してみる。

「ふ~~ん」

「分かった」

「ワタシが大人になるまでは、圭とは付き合えないって事ね」

どうやら、陽菜も分かってくれたみたいで、僕はひとまず安堵する。


「じゃあさ、なんで小梢さんとも付き合えないの?」


(しまった! 誘導尋問だったか!)




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