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「あわわ！　スマン！」

僕は、慌てて湯船に逃げ込んだ。

「クスッ、圭も男なんだね～、見たいなら見たいって言えば良いのに」

「バカ言え、見れる訳ないだろ」

「素直じゃないんだから～」

そう言いながら、陽菜が湯船に入ってくる。頭にはタオルを巻いていた。

僕は、またも陽菜を見ないように顔をそむける。

「それにしても、温泉って気持ち良いね～」

陽菜は、僕の横に座ると、ピタリを身体を寄せてきて、ちょこんと僕の肩に頭を乗せた。

スベスベとした肌が密着する。それだけでも理性を保つのに苦労するというのに、そのまま腕を絡めてくる。

「ん？」

腕になにか、ポチッとしたものを感じる？

「陽菜……？」

「なに？」

「み、水着は？」

「あーーー、忘れてた！」

「ば、ばか！　はやく着ろよ」

「ゴメン～　笑」
「でももう、ワタシ、あがるから良いでしょ、このままで」

いや、そういう問題ではなく、僕は今、非常に困った状態にあるのだ。
下半身に起きた変化に、つい、腰がモジモジしてしまう。

「もう～、さっきから何を落ち着かないの？」

「い、いや～、おしっこしたくなったな～なんて」

「ヤダ、ここで出さないでよ」

「僕も身体を洗って、もう、出るよ」

「あ、じゃあ、ワタシも出る」

僕が上がろうとするのを追いかけて陽菜も湯船を出ようとしたのだが、そのタイミングでは動いて欲しくなかった。

「え？」

「え？」

「……、キャーーーー！」

「圭のバカ！　ヘンタイ！」

慌てて陽菜は湯船に戻ると、背中を向けてお湯の中に潜り込んでしまった。

潜水から浮上すると陽菜がまたも僕を罵倒する。


「いや、これは……、その、生理現象というものだ」

「いいから、さっさと身体を洗って出てよ、ヘンタイ」


（なんだよ、散々、煽っといて……）

でも、女の子らしい反応に、僕は少し笑ってしまった。