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不倫研究サークル

第14章 愛莉

GWも過ぎた五月の半ば、小梢と別れてから一年になろうかとしていた。

僕は、相変わらず多忙を極めていた。その日も、カテマッチの運営の仕事の後に綾乃を抱き、自分の部屋へ帰り着いたのは午後十一時頃だった。

普段なら綾乃のマンションに泊まるのだが、最近、性に目覚めた綾乃の欲求が凄まじく、夜も寝かせてくれないため、言い訳を作って自宅に戻ってきたのだ。

それに、佳那、愛莉との関係も続いており、僕は疲弊していた。

駅から重い足を引きずり、ようやくアパートへたどり着く。

僕の部屋は二階にある。階段を上っていくと、部屋の前にうずくまっている人影を見つけた。

(愛莉?)

人影は、愛莉だった。

「愛莉、どうしたの、こんなところで?」

「あ、圭。 やっと帰ってきた」

見上げる愛莉の顔を見て、僕は凍り付いた。

「どうしたの? その顔。 腫れてるじゃない」

「うん……、ちょっと……」

「連絡くれれば良かったのに、いつから待ってたの?」

「スマホ、壊れちゃって……」

よく見ると、服も乱れている。一体何があったのだろうか? 僕は、ひとまず愛莉を部屋へ招き入れた。

「冷やさなきゃ、ちょっと見せて」

愛莉の顔は、目の下辺りが少し紫に腫れて、口も切っているようだった。

すぐさま、濡れたタオルで冷やしてやる。

「痛っ……」

愛莉は、辛そうに顔を歪めた。

「何があったの? 誰かに襲われたの?」

僕は、心配の余り、矢継ぎ早に質問を投げかけるが、愛莉は他人事のように涼しい顔をしている。

それに……、目が冷たい。


「カレシに殴られたんだ……」

「え? どうして?」


「浮気が、バレちゃった 笑」

浮気、つまり僕との関係が知られてしまったという事か。しかし、女の子に暴力を振るうなんて、僕にはとても容認できなかった。

「だとしても、暴力なんて絶対に許せない! 警察に行こう!」

「ちょっと、落ち着いてよ。 圭」

愛莉は、大げさだと言わんばかりに、呆れた顔をする。

「わたしが悪いんだしさ、こんな怪我、直ぐに治っちゃうよ」
「だから、大事にしないで」

「分かったよ」

とは言ったものの、僕の腹の虫はおさまらない。愛梨のカレシに激しい怒りをお覚えた。




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