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不倫研究サークル

第5章 初デートはホロ苦く

「痛っ~」

展望台を降り、江の島神社の下まで階段を降りようとしたのだが、案の定、小梢が靴擦れを起こし、かがみこんでしまった。

靴を脱ぐと、かかとが赤く腫れあがっている。

「ありゃ~、これは痛そうだね……。そうだ!」

僕は、カバンの中に絆創膏を持ち歩いている。それを取り出した。

「小梢、ちょっと僕の肩に掴まって」

僕はしゃがみ、小梢のかかとに絆創膏を貼った。小梢はバランスを保ちながら、僕の肩に掴まる。

小梢の足は、白く細くて華奢な感じだった。いつまでもこの足に触っていたい……。邪な感情が沸き上がるのを必死で抑え込む。

本番は、この後だ。

今日一番の重要なミッション、それを遂行しなければ……。

「これでどうかな?」

小梢は、僕に掴まったまま、脱いでいた靴を履くと、その場でトントンと足踏みして見せた。

「うん、大丈夫そう。ありがとう圭君」

(よし! これで益々僕のポイントは上がったぞ!)

早く下に下りたいと気持ちが逸った。


長い階段を降り、江の島神社の参道を出ると、浜焼きのお店が良い匂いをさせていた。

辺りはすっかり日が傾き、あと少しで夕陽の時間帯になる。

僕は、そこで正式な交際を申し込むつもりだった。

「ねえ、圭君。サザエを食べない?」

さっきから、サザエだハマグリだイカだと、海鮮焼きの良い匂いがお腹をくすぐっていた。僕も食べたいと思っていたので、二つ返事でOKと言う。

「わたし、ビール飲んじゃおうかな? 圭君は?」

意外だった。小梢がお酒を飲むなんて想像できない。

「あ、いや、僕は一缶は飲めないから……」

「じゃあ、二人で半分こしよ。わたしもそんなに飲めないから」


こうして、僕たちは未成年のくせに、ビールとサザエのつぼ焼きで晩酌することになった。




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