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不倫研究サークル

第7章 小梢の過去

なんとも気まずい……。

僕の部屋に入ってから、小一時間が過ぎようとしているのだが、散発的な会話を続けるばかりで、二人でモジモジとしていた。

膠着した状況に痺れを切らしたのか、小梢が先に行動をする。

「圭君……、その……、シャワーを浴びたいんだけど……」

「え、し、シャワーね、うん、そこ、トイレと一緒になっているとこ、えーと、そうだ! タオルがいるよね」

そうだ、菜美恵は最初にシャワーを浴びていた。

今の今まで忘れていたが、菜美恵と途中までは経験しているから、そこまでは出来るはずだ。


「着替えは、このカゴでも使ってよ」

僕は洗濯物を入れるカゴをユニットバスに置き、背中を向けた。

さすがに美少女の生着替えを見学するわけにはいかない。

背中越しに、シュル、シュル、と服を脱ぐ音が聞こえる。僕の心臓はその音を聞いているだけで爆発しそうになった。

ガチャガチャとユニットバスの扉が開いて閉まる音がして、やがてジャー、バシャバシャっと水がはじける音が部屋に響いた。

今、小梢がハダカになっている。僕の部屋で……。

小梢は、どんな下着を着けているのだろう? 脱衣カゴの中をのぞき見したい衝動を抑え、僕はユニットバスに背を向けて正座し、般若心経を唱えていた。

たしか、菜美恵はハダカのまま浴室から出てきた。

という事は、小梢もハダカで出てくるのだろうか?

(イカン、イカン、落ち着け、圭。 がっついていると、小梢に失望されるぞ!)


気を落ち着かせたいが、頭の中は邪念しか浮かんでこない。こういう時、仏門の教えも効果ないのだと妙に納得してしまった。


ガチャガチャ、ユニットバスの扉が開く音がし……、

「お待たせ」

小梢が出てきた。




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